幸せ家族計画
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「…あれ。めっずらしー…恭弥が熟睡してるなんて」
雲雀恭弥が高校生である今現在頂点に立つ組織、風紀委員会。
その委員長席―ちなみに場所は応接室である―で珍しく寝ている雲雀に、彼を訪ねて来たディーノは驚きの声をあげた。
「今寝たばかりなんですから、起こしちゃダメですよ」
そう言って料理本片手にソファーで紅茶を飲むのは、ディーノより先に応接室に来ていた骸。
その持ち物と言い台詞と言い、まるで雲雀のオカンである。
「ハイハイ。…にしても、ホンッと珍しいな」
「最近忙しかったみたいですからね。疲れも溜まっていたんでしょう」
小声で会話を交わしながら、雲雀へと近寄るディーノ。
とそこで、雲雀がなにやら呟いていることに気付く。
「……?」
それに興味を引かれたのか、ディーノはそっと耳を近づけて。
そしてその瞬間、雲雀はハッキリと寝言を発音し――ディーノは耳元で、その低音ボイスを聞くこととなった。
「噛 み 殺 す よ」
グーグーとか、可愛いげのあるいびきならまだ堪えられるんだけれども。
(……それはそれで怖くないですか?)(…確かに)