幸せ家族計画

□し
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サラサラと風に流れる黒髪。

涼やかな切れ長の瞳。

雲雀家次女、末っ子であるリョーマは、血の繋がらない母―とはいえ性別としては男だが―雲雀恭弥との共通点が多い。

それは、外見だけでなく。



「リョーマ?…起きてますか?」



「ん……」



朝のリビング。

それぞれが学生服に身を包み、普通の学生にとってはだいぶ早い時間に、彼らは揃って朝食をとっていた。

雲雀家の子ども達は次男の綱吉を除いて皆テニス部に所属しているため、朝が早い。


ちなみに綱吉は彼らが家を出てだいぶたった後に起き―または骸に起こされ―、骸とともに朝食をとって学校へ向かう。


残りの一人である恭弥はどちらかに混ざることもあるが、子ども達が学校へ行った後会社から帰ってきたり、また起きてきたりと様々である。



「リョーマ、手が止まってる」



「ん…」



「……まだ寝てるな」



亮の言葉に返事らしきものを返すものの、しかし手は止まったままで目も開いていない様子のリョーマに、隣に座っていた景は呆れたようにため息をつく。

それは、雲雀家にとっていつもの朝の光景であった。



「全く…恭弥くんといいリョーマといい、寝汚いにもほどがありますね」



子ども達のグラスに飲み物をつぎながら、そう言って苦笑をこぼす骸。

彼の言う通り、ここにはいない雲雀恭弥も、会社ではともかく家の中では無防備であり、朝には弱い。



「目つきや雰囲気も似てますし…昔なんて、そのまんま恭弥くんのミニチュアでしたもんね」



椅子に座り未だ寝ぼけたままのリョーマを見つめながら、しみじみと呟く骸。

それに長男長女は目を合わせ。



「ま、そんなもんだろ」



「親子だしな」






仕方ないよ、親子だもん。

(そのうちトンファー持って咬み殺すとか言い出したりしてな)(止めてください縁起でもない)

 

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