幸せ家族計画

□つ
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その日、雲雀綱吉は朝から少し体がだるかった。

いち早くそのことに気づいた父、骸が休むように勧めるも、大丈夫だと言って登校。

やはり体のだるさはあるものの無事授業を全て受け終え、生徒会の仕事のため椅子から立ち上がり――



「(…あ、ヤバイ)」



ふらり、その場に倒れそうになった所で、後ろから誰かの腕によって支えられた。



「チッ…ドカスが」



そして聞こえてきたのは、そんな友人の不機嫌そうな低い声。

それに綱吉は、へらりと緩い笑みを浮かべて。



「あはは、ザンザスありがとー」



声からその表情が分かったのか、無言で眉間にシワを寄せるザンザス。

おそらく接している所から伝わってくる高い熱もその理由の一つだろう。

とそこにやってくる、綱吉の友人二人。



「綱吉さん!」



「ツナ!」



前者は朝からずっと心配をかけていた獄寺で、後者は度々気にかけてくれていた山本だ。

どちらも同じようにその整った顔に心配げな表情を浮かべてやってくる。



「大丈夫か?ツナ」



「ん…。大丈夫大丈夫」



「やはりお体の調子が…おいザンザス!綱吉さんは俺が家までお送りする。その手を放しやがれ!」



綱吉を心配げに見たあと、そう言ってザンザスを睨みつける獄寺。

それに綱吉はいつもより力のない、へらへらと緩んだ笑みを浮かべて。



「だーいじょうぶだって。一人で帰れるよ。獄寺くんは心配しす…うわっ!?」



言葉の途中で驚きの声をあげる綱吉。

それは、突然体を抱え上げられた―ちなみにそれは所詮お姫様抱っこと呼ばれるものだった―ことに対する声だった。



「え、ちょ…ザンザスさん?」



「コイツは俺が連れて帰る。てめえらはコイツの荷物を後で持ってこい」



そう言うと、ぽかんとした二人や混乱している綱吉をそのままに、ザンザスはスタスタと歩き出した。



「廊下で姫だっことかザンザスだいたーん」



「……」



「ほらみんな見ちゃってるよ?恥ずかしいでしょー」



「………」



「変な噂流されちゃうよー」



「………」



「おーい?ザーンザースさーん?」



熱のせいか、いつもよりテンションが高く饒舌な綱吉。

しかしその言葉にザンザスは一切反応を示さず歩き続ける。

その対応に綱吉はため息を一つついて。





つれないその態度!さては反抗期だな!

(黙って寝とけ)(……はあーい)


 

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