幸せ家族計画
□に
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「逃げたとしてもこの狭い我が家、隠れる場所なんてママばっちりお見通しよ!」
「…………………はあ?」
にっくきアイツに向かってシューッと一吹き!なスプレーの缶を手に持ち、バッチリポーズなんかを決めてばちこーんとウインクをした幸村に、紅茶の入ったカップ片手に「訳わからん」という気持ちを全面に出した表情を浮かべる骸。
平日の昼間っからこんなことに時間を使っているあたり、平和と言うか暇人と言うか。
―二人ともそこそこに忙しいはずなのだが。
ちなみにここは雲雀家のリビングであり、けして幸村の自宅ではない、けっして。
にもかかわらずまるで自分の家にいるかのように彼が振る舞っているのは―まあ、彼らにとっては今更のことである。
「っていう名前のゴキ退治用殺虫剤を売り出したら売れると思うんだけどどうかな?」
その問いに骸は思いっきり微妙な顔をして。
「………………。長い上に覚えにくいでしょうが」
逃げたとしてもこの狭い我が家、隠れる場所なんてママばっちりお見通しよ!
(ええー…結構いい名前だと思うんだけど)(むしろどこからその自信がわいて出てくるのかが不思議ですよ)