幸せ家族計画

□よ
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「ううう…頭がぐらぐらするー。まぶたが重いー」



とある中学校の生徒会室。

そう言って生徒会長の椅子に座り、ペン片手に机に額をつけてウダウダっしているのは、この学校の生徒会長である雲雀綱吉。

ちなみにその机には、彼の頭以外に今日が締め切りの書類が山となって乗っている。

イベントや諸々の多い春という時期のため、綱吉は生徒会長就任早々に思いも寄らぬ苦戦を―しかも休日返上で―強いられていた。

今日の夕方6時までに目を通しサインをしなければいけないのだが――11時現在、それはまったくと言っていいほどに進んでいない。



「はい、コーヒー」



「……ありがと」



コトリ、小さく音をたてて綱吉の顔の横にカップを置いたのは、彼の妹である雲雀リョーマ。

それにへらりと気の抜けた笑みを浮かべるも、カップの中身を見れば曇る表情。



「ブラック…」



「眠気覚ましにはピッタリでしょ」



「………」



綱吉はリョーマの言葉に渋々といった様子でカップを口へと運ぶ。

そして一口、その真っ黒い液体を口に入れて。



「……苦い」



べ、と嫌そうに舌を出した。



「ほら、さっさとやりなよ。今日までなんでしょ?」



「俺もそっちがいい」



自分の分の―ちなみにもちろん砂糖とミルク入りの程よい甘さの―コーヒーを片手にリョーマが促せば、綱吉はそちらに羨ましげな視線を送る。

しかしリョーマはそれに取り合わず。



「早くやんないとザンザス達戻ってくるよ。少しでも減ってないとまた怒られるんじゃない?」



「寝不足で頭がグラグラな兄に対して妹が優しくない…!」



そう言って未だぐずる兄に対し、妹は呆れたようにため息をついて。





夜更かししたんだから自業自得だって。

(だってどうしても魔王倒したかったんだもん!!)(ゲームで徹夜するくらいなら徹夜でその書類終わらせたら良かったのに)


 

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