HARLEM☆ROOM

□X'masの夜に…
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『俺様とこいつと
どっちを選ぶんだ!』

『俺とこの人と
どっちを選ぶの?』


目の前の2人が
私に向かって同時に叫んだ


『はい?』



私の目の前に
クラスメートの
越前リョーマ君と
氷帝学園の
跡部景吾さんの2人がいる


いきなり
呼び出されたと思ったら

なぜか
浮気がばれたかのような
修羅場な感じの
この緊張感は何?



…めちゃめちゃピンチだ



確かに
リョーマ君とは
クラスメートで
隣の席だし
クラスの中では
よく話してるというより
彼は聞いてる方が多いけど
他の女子達よりは
仲良しな方だとは思う。


それに
もう一人の彼
跡部さん

生徒会長でもあり
学園一モテる彼
容姿淡麗、
成績優秀、
なんでも出来ちゃう
氷帝のKing!

親衛隊も
従えてるほどの人


私になんて高嶺の花だ


リョーマ君の
試合の応援に行った時に
顔見知りになって
何度か話してるうちに
たまに、
呼び出されて
出掛けたりした事はあるけど


そんな甘い関係なんて
2人共なかったはずなのに?



だから、なんで…私?




行き交う人の視線が痛い。

困った…


頭の中で
そんな事を考えながら
グルグル巡らせていた。


『そんなの
俺に決まってるでしょ?』

「…あの」

『いや、
俺様に決まってんだろ?』

「ちょっと…」

『この俺があんたに
負けると思ってんの?』

「もしもーし」

『この俺様がおまえに
負けるわけねーだろ?』

「おーい」

『あんた、
他により取り見取りで
女いるじゃん』

「…だからね」

『あのな〜
誰でも良いって
もんじゃねーだろ?
アーン?』

「聞いてる?」


話かけても駄目で
私をよそに
目の前では白熱バトルが
繰り広げられていた


どうなのよ…これって


…そりゃ、
クリスマスイブに
呼び出されてたら
期待はしちゃうけど

告白ならまだしも
いきなり
どっちはないでしょ?

もしかして
最新の嫌がらせ?

罰ゲーム?

それとも
からかわれてるのかな?


二人睨み合いの中、
申し訳なさそうに
声を掛けた

『あの、
盛り上がってるとこ
悪いんだけど、
2人とも
私の事からかってるの?』

そう言った私に
2人が振り向き様
ため息混じりに答えた。

『なんで、
お前をからかわなきゃ
いけないんだ?』

『そんな事しても
意味ないでしょ?』

『だって…』

『そんな事
言わなくても
分かるでしょ?』

『そんな事
言わねーと
分からないのか?』

『わ、
分かる訳ないじゃない、
そんなの』


2人の当然的な台詞に
ちょっと
むっと拗ねてみせた。


もう、
なんでこういう時は
2人とも上から目線?

当たり前の返事
本当に私の事好きなのか
この人達は…
なんて思ってしまう

『ったく、世話がやける』

『本当、鈍すぎ』

『えっ』

そこまで言うかあんた達
鈍くて悪かったわね

世話してくれなんて
言ってないつーの

2人を睨みつけながら
そう、
心の中で呟いていた。

『仕方ねーな、
俺様がこいつより
お前の事好きだって事
じっくり教えこんでやる』

『何言ってんの?
俺の方があんたより
ずっと好きな気持ち
強いんだからね』

『じゃ、勝負だな』

『いいよ』

『ち、ちょっと
ちっとも良くない〜!』

『お前に拒否権はねー』

『そういう事』

『何言ってんのかな〜2人共』

『今日は、たっぷり
俺達に付き合ってもらうぜ』

『どっちが良いか決まるまで、
ずっとね』

『え、遠慮します』

『こら、逃げるな』

『逃げられると思ってんの?』

思わず
後ずさりをしながら
2人の前から
離れようとした瞬間、
早々
2人に腕を
捕まえられてしまった


『逃がさねーよ
やっぱり、
お前の体に聞いた方が
早いかもな?
アーン?』

『えっ、それって』

『そー言う事
逃げられないって
言ったでしょ
たっぷりと
味あわせてよ、俺達に…』

耳元で2人が囁き始めた。
…嘘
私やっぱりピンチだ!

2人に攻められながら
体の中を
何が通り過ぎ感覚を覚えた。

次第に
体の力が無くなっていく


3人の鼓動が
重なり合いながら高鳴る


クリスマスの鐘と共に
星空の下
鳴り響き始めた…。




〜FIN〜

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