HARLEM☆ROOM

□ 七夕の誘惑…
1ページ/1ページ


7月7日 は
年に一度の七夕


近くの神社で
七夕祭りが開催されている。
もう日が暮れ
参道には提灯に明かりが点り
屋台が並び賑わっていた。

友人とお祭りに来たものの
人ゴミの多さに
ちょっと油断した隙に
はぐれてしまった。

『ついてないなぁ‥』

ボソッと呟く。

神社で短冊に願いを書いて、
さて
これからお祭りを
楽しもうとしたところだったのに

短冊には
【素敵な彼氏ができますよに…】
って書いたのに
そのお願いも
今、ちょっと
叶わないんじゃないかと
不安になってきた。

『ふぇ〜ん、皆どこ?』

慌てて連絡取ろうとしても
こんな人ゴミじゃ
携帯も繋がりにくい。

『これじゃ、
歩きながら皆を探すしかないか』

はぁ…
ため息つきながら
人ゴミの中を歩き始める

私がいなくなったのに
気づいてくれたらいいんだけど。


しばらく行くと
参道真ん中あたりは
十字路に道が分かれていた。


『どっちに、行ったのかな?』

辺りをキョロキョロしてたら
不意に左右から
同時に声を掛けられた。

『なにやってんだ、お前』

『こんなところで何してる』

『えっ?
跡部さん?手塚先輩?』

そう、同時に声をかけてきたのは
自分の学園の先輩
生徒会で一緒で
たまに何気に
面倒をかけてしまってる
気がするんだけど。
憧れの先輩なのだ。

で、もう1人は
その先輩の友人?ライバル?

よく友人と一緒に
男子テニス部の試合を応援に行って
先輩達と一緒の時に
たまに話すようになったのだ。

でも、話すと言っても
緊張しちゃうから
挨拶程度くらいだけど。

なんせ、相手は
氷帝学園のキングだし。
親衛隊に囲まれて
近づく事も難しい。
話しをする事が凄い事なんだもん。

そんな彼も私には憧れの人だ。

そんな2人から
偶然にも声をかけられた。

そして
2人が
ゆっくりこちらに近づけてくる。

『どうして、此処に?
2人で来たんですか?』

『そんな、わけないだろうが』

『偶然だ』

『なんだ、2人一緒だと思った』

そう私が言うと
2人は顔を見合わせて笑った。

『まぁ、それも悪くねーけどな』

『…今回は別々だ。』


それにしても
2人とも浴衣姿が様になってる。

しっかり、七夕祭りを
楽しもうとしてるじゃない。

もしかして
誰と一緒にきてるのかな?

なんて、私が思ってる中
跡部さんが話しかけてきた。

『で、
お前はここで何してるんだ』

『えっ、私?
いや、実は友達とはぐれちゃって
探してるんだけど…』

周りを見渡しながら
そうい言うと
「なんだ、そんな事か」
と笑いながら言葉を続けた。


『それなら好都合だな』

『ああ、そうだな』

『えっ?』

またしても
2人同時に声をかけてくる。

『じゃ、俺様と一緒に来いよ』

『じゃ、
俺と一緒に祭りを楽しもうか』

そう言いながら
私の目の前に
2人の手が差し出された。

『えっ?、あの…』

『さぁ、選べよ、俺様か手塚か…』

『お前が一緒にいたいのは…
どちらだ』

まさかの
2人からの誘い。

おまけに究極の選択?

ねぇ、これって……

2人を交互に見ながら
思いきって
私は彼の手を取った。

そして、
突然、私の恋が始まりを告げる

七夕の魔法?
それとも誘惑?

すでに辺りは
日が沈み夜空には
星が輝き
2人を照らしいる。

短冊のお願い事…叶ったみたい。

【素敵な彼氏が出来ますように…】

ねぇ、貴方は
短冊に
何をお願いしますか?


《 Fin 》

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ