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□ドタバタ全開★逃走中〜
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   STORY★1

あの逃走中イベントから、しばらくしたとある日…。

跡部達、氷帝テニス部メンバー達は、再び横浜に来ていた。

『せっかくの休みに、なんで、横浜なんだ』
『そやなー』
『良いじゃん、跡部』
『そうですよ、跡部さん達は、あのイベントの会場は、横浜でしたけど、俺達は違いますから』
『そーそ、中華街で旨いもん食おーぜ』
『まぁ、あの時は、ゆっくり出来へんかったしな、ええんちゃう、跡部』
『ったく、しょうがねーな』
『うすっ』

そう言いながら、中華街を歩き始めた。

『なんや、ここ走った記憶が…』
『ああ、あの日はずーっと走らされたからな』
『確かに、めちゃめちゃ走らされたわ…』

東門から、中華街の中に入っていった。
大通りの所に有名な中華マンのお店を見つけて、

『あっ、中華マンだ』
『ここ、こんな店だったんやな?』
『あの時は、時間も早えーし、店閉まってたからな』
『中華マン食おーぜ』
『俺、豚マン』
『あっ、俺も。』
『僕も…』
『侑士と跡部は』
『俺は…』
忍足が答えようとした時、跡部が、
『フカヒレ』
『やっぱり、高級嗜好かよ…』
『流石です、跡部さん』
『当然だろう、なぁ、樺地』
『うすっ』
『…』

ふと、遠方から、聞き覚えのある声が聞こえて来た。

『あー、中華マンだぜ
なぁ、食べようぜ、越前』
『桃先輩、大声で恥ずかしいっす』
『ふふふ、はりきり過ぎだよ、桃』
『ったく、ガキかお前は〜』
『なんだと〜やんのか?
マムシ!』
『上等だ』
『また、始まっちゃったよ…』
『よく、やるよ本当』
『おい、お前達、いい加減にしないか』
『す、すみません』

なんと、青学テニス部メンバーが、こちらに歩いてくる。

『相変わらず賑やかやなぁ〜』
『直ぐにわかるぜ』
忍足、跡部が、ボソッと呟く。

青学メンバーも、氷帝メンバーに気がつく。
『うん?』
『あっ』
『跡部、忍足』

氷帝テニス部メンバーと、青学テニス部メンバーが、揃った。

『偶然だな、跡部』
『ああ、久しぶりだな、手塚』
『なんだ、氷帝も来てたんすか』
『まぁーな』

桃城、向日達が中華マンを食べてるのに気付き、

『うわー、うまそー!
越前!やっぱり、俺達も食べるぞ』
『ういーすっ』

青学メンバーも中華マン食べに加わった。

『美味しいぜ、これ』
『こっちもいけますよ、桃先輩』
『それ美味しい?
 一口?』
『お前は…』

なんて、食べながら、歩いてると、前方から、見た事がある人達が歩いてきた。
『ん?』
『なんだ、跡部か』
『やぁ、奇遇ですね』
『プリッ』
『おー、手塚さん達まで』
『なんだ、立海もかよ』
『久しぶりだなぁ、あのイベント以来だからな。』

『やぁ、跡部に手塚、偶然だね?』
『ああ』
『幸村か…、立海勢揃いかよ』
『…』
『…』
『なんだ、その嫌な顔は…跡部』
『あんまり、嬉しくねー』
『あのイベントでは、うちのメンバーが世話になったみたいだな。』
『別に…』
『そうそうゲームやしなぁ』
『まぁ、そーいう事だ』
『んじゃ、挨拶もしたから、俺達はこれで』
『えっ、別に良いじゃないか、一緒に…』
『遠慮しておく』
『跡部、せっかくだから…。』

そういう手塚の腕を掴み、耳元で呟く。

『手塚、あいつらといると、ろくな事ねー気がするぜ。
ここは関わらない方がいい。』
『…そうか。
そうだな、分かった』
『なんか、嫌だな〜。
ひそひそ話なんて』

ニッコリ笑いながら、幸村が言った。

『別に…』
『…』
『…』

跡部と手塚は、メンバーを促し、今来た道を引き返し、早々に立ち去ろうとした。
『手塚…』
『なんだ、跡部?』
『そこの角まで行ったら、全員で走るぞ』
『なんでだ』
『嫌な予感がするからだ。
…よし、走るぞ』
『お、おい』
『なんでだよ』
『まじ』
『また走るんすか!』
『なんか、また逃走中〜?!』

跡部達は、一斉に、走り出した。

『あっ、逃げた』
『追いかけるぞ』
『まじ』
『今度は、私達がハンターですか?』
『面白そう』
『難儀だなぁ、跡部よ』
『そう簡単には、行かせないよ、跡部に手塚』
『幸村、やり過ぎでは…』
『何か言ったかな、弦一郎…』
『…いや、別に』
『駄目だ、弦一郎』
『…』
(『許せ…跡部、手塚よ…』柳、真田の2人は、心の中で詫びた)

氷帝&青学メンバーは、角を曲がって南門のある元町方面に走っていた。
『なー、跡部』
『なんだ』
『なんで、俺達走ってんだ?』
『追いかけられてるからだ!』
『なんでだよ』
『俺が知るか!』
『はぁ〜っ』
『うそ〜!』

氷帝&青学メンバー達の後ろから、立海メンバーが追いかけてくる。

『なんか、ハンターって楽しいかも』
『そりゃ、追いかける側だからな』
『逃げる方は、たまったもんじゃないね』
『まぁーまたには、立海が有利になってもいいんじゃねー』
『まぁ、ほどほどに…』
『大丈夫っすよ』
『やれやれ』
『…』
『弦一郎、こうなったら、俺達が、ホロしないと』
『ああ、分かってる』
『ん?幸村何してる』
『跡部にメール』

一方、跡部達は、門をくぐり元町に入っていた。
その時、跡部の携帯が鳴った。

『メール?』
跡部は走りながら携帯を開いた。
【跡部へ。
PM:7:00まで、僕達から逃げ切れば、君の勝ち。
勝てば君達に良いものをあげる。ゴールは大桟橋だよ…幸村】

『あの野郎、上等だぜ』
『跡部、どうした?』
『あいつらがハンターだと、PM:7:00まで逃げ切れば、ご褒美あるってよ』
『えっ、また逃走すんのかよ』
『はぁー、横浜は、こればっかりかよ』
『嘘〜』
『諦めろ』
『また』
『まぁ、負けるつもりないし』
『そういう事だ』

跡部、幸村に返事を返す

【幸村へ
上等、受けて立つ!
そのかわり、後で覚えてろよ…跡部】

『跡部から、返事だ』
『なんて』
『やる気満々だね』
『負けず嫌いだからな』
『幸村、その…』
『大丈夫だよ。
別に、捕まえたいわけじゃないからね』
『…?』
『…幸村?』
『もちろん、長時間だかね、ちゃんと配慮するよ』


…只今の時刻PM1:00
PM7:00までの長い逃走中が始まる。


つづく…。
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