蝶結びチョウムスビ
□好きになったら
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黒の教団の食堂。
昼時はいつも賑わうその場所は、今日も例外なく、賑わっていた。
そんな中、1人の少女が自身の昼食を両手に足早に歩いてゆく。
注文のために並んだであろう、長蛇の列を過ぎ越えて。
彼女の目的地はただ一つ。
「隣、いいかしら?」
愛しい、彼の元。
いきなり聞こえた声に驚いたのだろうか。
声を掛けられた少年はゆっくりと振り向く。
「あ、リナリー!!どうぞ」
声を掛けた主が分かるやいなや、
少年、アレン・ウォーカーは極上の笑顔を少女、リナリー・リーに向けた。
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