番外編
□母の日参観日
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「秋佑くん！」
『田中さん、どうしたんです？』
ある日曜日スーパー帰りに近所に住むいつもお世話になっている田中のおばちゃんが声をかけてきた。
「明後日幼稚園で、母の日参観って聞いたかしら？」
『母の日？』
「そうよ、華ちゃん参観があるのよ！」
田中さんは３児の母で一番末の娘さんが華ちゃんと同い年なので、よく幼稚園の予定を教えてくれる。
『そうなんですか』
「あら、聞いてなかった？」
『はい。』
「華ちゃんも色々考えてるのよ、怒ってあげないでね！」
『はい』
多分母の日参観なので、華ちゃんは母さんの居ない家庭で誰に言ったらいいか悩んでいるのだろう。
「じゃあ、私はこれで失礼するわね！あ、そうだ今日は肉じゃが作るのよ、またお裾分けに行くわね！」
『いつもありがとうございます！』
田中さんはそう言ってポストから夕刊をとって家に入ったので、俺は一礼をしてから少し考えるように家へと入っていった。
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