小説
□玄武高等学校‐肆
4ページ/61ページ
保健室でゆっくりし過ぎたせいか、この学校が広すぎるせいか、部室につく頃にはチャイムが鳴った。
仕方がないのでHRはサボる事にしよう、と諦めながら部室のドアノブを回す。
ドアノブは回るが、押しても引いても扉は開かない。
着替えるのも忘れて保健室に行く前、総馬に戸締まりを頼んだのだからそうなってるのは当たり前なわけで、かといって、このまま授業に出るのは駄目なので、仕方なく総馬の居る1年校舎に向かう。
1年校舎はどの組もHR中なので、先生達の声しか聞こえず静かだ。
そんな静かな空間を音を起てずに忍び足で歩く。
もう少しで総馬の教室に着くという所で、前からガラの悪い人がやって来た。
次第に近づきそれがやすだと認識出来る距離になると、やすは歩いてる方とは逆にもと来た道を走っていく。
俺は追いかける為、さっきとは180度違うドドドドッと効果音がついていそうなペースで走った。
.