ぎんとき

□銀さんはぴば2
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「銀八先生、」


「あー?」


「今日誕生日だよね」


放課後。
国語準備室にいつものようにクラスの女子生徒の一人が寄り道していた。


「おー」


「先生祝ってくれる彼女も友達もいないでしょ。あ。さっちゃんからSMグッズ貰ってたね」


「おー」


「…あれ…使うの?」


「おー…ってちげえぇぇ!!使わねえし!!」


「あーやだこれだから男って怖い!!いやあぁぁぁ!!」


「てめー!!」


あいつの話を適当に受け流していたら、なんだかしげく危ない方向に行きかけた。


…なんだコイツ。
何しに来やがった。


「嘘だよ。彼女いないくせに」


「…うるせー!!」


「ねえねえ」


「んだよ。おまえ帰りなさいよ。俺ジャンプ読みたいの」


ジャンプに目を向けたままシッシッと手を降った。


「プレゼントあげる」


「どーせろくなもんじゃ…」


「じゃーんいちご牛乳!!」


「あーざーす!!」


「はっぴーばあすでー銀ちゃーん」


「…ってかこれだけかよ」


誕生日に飲み物一つって…。


「120円返せ」


「誕生日なのに?まさかのいちご牛乳オンリー?感謝の気持ちはそんなに小さいの?」


「うん」


「…ちっ」


「あー舌打ちした!!いちご牛乳は回収させていただきます」


今までに見たことないくらい早い動きで俺からいちご牛乳をかっさらったこいつ。
本当に何しに来たわけえぇぇ!?


「ごめんなさい!!この世で一番ごめんなさいイィィ!!」


「素直でよかろう。ずずっ…」


「てめっ、飲んでんじゃねーか!!」


「あっヤベ。やっちまったぁ」


「やっちまったぁじゃねーし!!」


「仕方ないなあ、はい代わりのプレゼント」


「…」


彼女は俺に向かってずいっと腕を広げて見せた。


「受け取れし」


「…何コレ」


プレゼントは あ た し ☆



(いいの?まじで?いちご牛乳よりうれしいわ)
(まじで!!っていうか銀ちゃん好きです)
(うん、俺も。ってことでいただきます)
(えっ、ちょ…ぎゃああああ)







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