まよら

□ただ好きなんです
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「トシー」


「あ?」


「今日銀八にセクハラされたよ」


「あそ、良かったな」


「トシ、」


「…んだよ」


「総悟にオレンジジュースおごって貰った」


「好物だもんな」


ねえ


君は気づいてる?


「あとね、ほら、あれ?…んーと退!退にそーじ当番代わって貰った」


「押しつけたんだろ」


「せーかい」


一歩前を歩く君の背中は近いけど


気持ちははるかかなた離れてるんだと思う


「近藤くんとか、案外優しいよね」


トシが一番優しいもん


トシにならセクハラされても良いよ

オレンジジュースはトシから貰いたいよ


そーじだってトシが一緒ならいくらでもやるよ


ただ気にかけてほしいの


ただ…


「トシ、それから」


「あのさぁ…お前なんなの?」


あ、少しイラついてる


「私は私」


「そんな話聞いてても面白くねえよ」


「あ、トシやきもちだ」


「ちげえよ、本当なんなのお前」


「私?…私は…」


ただ好きなんです
気付けよ鈍感



(なあ)
(ん?)
(俺やきもちやいてるかも)
(まじでか…)




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