クローバーの国
□第二章 一部 行動開始
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(…遠い。)
砂に足をとられてコケそうになる。
速度は遅い。
クローバーの塔が見えるけれど、
近づいているのか分からない。
(…はぁ、もうちょっと。)
頑張るしかない。
…
壁に手をついて見上げると、塔の近くまで来た。
自力でここまで来た達成感と疲労にため息をつく。
「…はぁ。やればできるんだなぁ…。」
でも、さすがに疲れたので休憩する。
ちょうど植木鉢の影で踏まれる心配はない。
…
小さいと視点が変だ。
人が大きく、踏み潰されそうで怖い。
みんな、私には気づかない。
(…ガリバー旅行記?)
主人公のガリバーは巨人だったような気がする。
でも小人に反転したような気がする。
…記憶があいまいだ。
(『おやゆび姫』の方が似てるのかな。)
小さい頃読んだ絵本だ。
小さな女の子の話はメルヘンだった。
この状況もメルヘンだ。
でも現実は怖い。
・・・
「さて、どうしよう…。」
まずは壁に寄って歩くしかない。
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