クローバーの国

□第二章 一部 行動開始
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森の中を歩いている。

道を見つけて歩き出していた。



「わぁ…これって毒キノコかなぁ」


大きいキノコは鮮やかな蛍光色だ。

裏は白色なので普通のキノコに見えるけれど。

触ることなく進む。







帰ってきたら、まず怒られると思う。


『心配したよ。お姉さん。』

『お姉さん。お帰りなさい。どこに行っていたの?』

『そうだよ。僕ら、ずっと待ってたんだ。』

『お姉さんを探していたんだ。それでどこまで行っていたの?』



出迎える双子は笑っている。



『本当に遅かったよねぇ。兄弟。』

『どこに居たの? 誰と一緒にいたの?』

『隠さないで教えてよ。お姉さん。もちろん隠しても無駄だけど。』

『…ふふ。僕ら、すっごく怒ってるから覚悟してね。』

『本当のこと言わないと怒るから。お姉さん。』


笑顔で脅迫してくる。

容赦がなく掴み上げられる。


(…怖い。)


想像しただけで寒気がでて、動けない。

蛇に睨まれたカエルのようだ。


『逃げないでよ。もちろん逃がさないけどね。』

『そうそう。まずはお仕置きしなきゃ。』

『僕ら、ずっと待っていたんだからね。』

『お姉さんが悪いんだ。』


怒った二人は無茶をする。

痛いこと、きついこと…恥ずかしいこと。

のぼせてしまいそうだ。


(…やめよう。)


ひどい。

私の頭の中もひどい…






「見つかったら、なんて言おう。」


小さい姿で会えたら、二人は驚くだろう。

そして理由を聞かれるはず…



ピアスが危ないかもしれない。

二人はいじめっこだ。

斧を持って追いかけるのが容易に想像つく。


(…危険すぎる。)


ピアスのためにも小さいままでは会いたくない。




気づいてくれなかったら踏み潰されかねない。

殺されても文句は言えない。

…ずっと一緒にいる、と言った約束を守れていないから。


せめて二人を抱きしめて、誤解を解いてから切られたい。


そのためにも一度、ピアスの所に戻らないといけない。

大きくなるために。



「…あ。」


気づくのが遅かった。

ピアスに外出することを伝えていない。

そのまま出てきてしまった。


(うわ…ピアス。心配するよね…?)


すでに森の出口まで着ている。

迷ったけれど、ピアスにはあとで謝ることにして。

私は歩き続けた。


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