短編
□お茶会
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月明かりの下で、お茶会をする。
深夜のお茶会だ。
エリオットの大好物であるにんじんケーキ。
テーブルの上にのった数々のお菓子。
ブラッドの好きな茶葉。
ストレートの紅茶。
主催者はブラッド。
私は招待されている。
もう、何度も招待されていて、
すっかり慣れた。
「ブラッド。この茶葉ってもしかして…」
「ああ、よくわかったな。この茶葉は、この間取り寄せたもので…」
紅茶の話をする時のブラッドは、とても饒舌だ。
何より楽しそうな彼を見るのは、この手の話題が一番良い。
日頃は、ニヤリと意地悪そうな微笑で楽しそうにしている。
純粋に楽しそうな時というのは、あまり見ない。
私は、この時間が一番好きだ。
そして今が、この屋敷で一番平和で安定している時間だと思う。
(だって、女王様なんだもの…)
このままでいてほしい。
機嫌の良いままで…
そうしないと、私がキツい。
End
アリスは大変です。