短編
□気になる子
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「…アリス。」
不意に彼女の名前を口にする。
それだけで、顔がかっかと熱くなってくる。
何かの病気なのかもしれない。
胸がきゅーっと苦しくなる。
(なんか、変だ。)
落ち着かない。
「あ、アリス…。」
「あら、エリオット。一人でお散歩なの?」
会った瞬間から、俺はおかしくなっていた。
顔は熱いし、胸は苦しいし、
呼吸まで息苦しさを覚える。
「エリオット?…何か変よ。どうしたの?」
「あ、いや、…何でもねぇんだ。」
(何でもねぇはずなんだけど…)
心配そうに下から覗きこまれて、一気に顔が熱くなった。
「エリオット?」
「だ、大丈夫だっ!心配すんなよっ」
変な汗が出て、一目散に逃げた。
体調は悪くないはずなのに、胸が苦しい。
(何だ。これ…)
俺は病気かもしれない。
End
恋の始まり?