短編
□可愛いお客さん
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余所者のお嬢さん。
…そんなに怯えなくていい。
「お嬢さん。こっちへおいで。」
手招きすれば、寄ってくる。
…素直なお嬢さんだ。
「お茶会をしよう。」
私の部屋。
二人だけのお茶会だ。
オレンジ色のお菓子もない。
静寂な空間と、本。
紅茶が冷めないように、気をつけないといけないな。
クスリと笑みがこぼれる。
「君とのお茶会は楽しいからな。」
そう、楽しみだ。
紅茶のように、深みをましていく。
香りも、においも…。
暖かさも。
一度、味を占めたら抜け出せない。
END
え、お茶のことですが…(笑)