Nover
□まるで君は
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君が好き。
特にブリッツボールをしてる君が大好き。
だから君の試合を間近で見るのが夢だったんだ――。
「…いいの?私なんかにこんないい席あげちゃって」
ユウナの手に渡された一枚の紙。
ブリッツボールのチケット。
『なに言ってるッスか!誰のために取ったと思ってんの』
ティーダはそう言うとユウナのおでこを軽く叩いた。
『俺の姿、よ〜く見てろよな!』
ティーダの無邪気な笑顔につられて思わずユウナも笑みを浮かべる。
「うん、ありがとう!」
『ティーダさ〜ん、時間で〜す!』
遠くから聞こえてくる仲間の声。
それが二人に一時の別れを知らせる。
『やべ、じゃぁ…そろそろ行くな』
「うん、頑張ってね!」
『おう!』
ティーダはそう言って仲間のもとへ走っていった
………と思いきや。
『ユウナ!』
いきなり振り返り、またユウナのもとへ戻ると
『ほかの奴に見とれたりすんなよ』
そう真っ赤な顔で伝え、また仲間のもとへ走っていった。
そんなティーダのことをユウナは同じく真っ赤な顔でただジーッと見つめることしかできなかった。
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