□World is Mine
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そういえば『誰か』に取られるとか、考えた事なかった。

「このままじゃ…ダメ」

白い肌に
黒いドレスを纏って
いつもと違う赤い唇

貴方のことが全部欲しいの






「夜の…街?」
「ええ。そのようです」
旅の途中。
停留した街はいつもとは違う雰囲気の街。
瞳を瞬かせた真明に鶺鴒が頷く。
「夜…晩メシの街??」
「うーん…悟空、ちょっと違いますねえ」
「どーりでワクワクするはずだわコレ」
「何だ、河童の街か」
「そりゃあ三蔵サマはソッチのご苦労無いでしょうけど?」
「フン…で?」
ついと三蔵が再度鶺鴒に話を戻す。
「賭博から娼婦まで…ありとあらゆる娯楽を司る街のようです。
なので、現在はこんなに閑散としているのかと…」
「じゃあ、殆どのお店が夜に開くのね」
「そのようですね…
鶺鴒としてはあんまり真明様にお外には出て頂きたくない雰囲気ですわ」
「でもちょっとどんな感じか覗いてみ」
「ダメだ」
「三蔵早っ」
「かなり食い気味で返しましたね」
「真明まだ言い終わってなかっぞ今」
「玄奘、チョットだけでも」
「駄・目」
「…うぅ」
「鉄壁の守りを見た気がしますね…」
「まあ、真明様最近狙われっぱなしでしたからね…主の気持ちも分からなくも無いです」
「でっ、でも…皆情報収集に出るんでしょ?
私も一緒に…」
「おい、悟浄。真明と留守番しろ」
「ええっ?!何で俺?!」
「悟浄はもっと夜が深まってからの方が好きでしょう?
僕達が先に出て入れ替わりにしましょう」
「はー…まあ、しゃあねえなあ。
真明、諦めろな?」
「…うん…」
しゅんと真明が諦めるのを見届けて夜の帳が降りはじめた頃
悟浄と真明を残して一行はいつもの服装ではなく街に溶け込める装いに変えて情報収集に向かった。


街が俄に騒がしくなる。
「…ねえ、悟浄」
「あん?」
「外行ってみない?」
「…三蔵に怒られっぞー…」
「うーん…何で私だけダメなのかなぁ…」
悟浄にお茶を入れながら真明は口を尖らせる。
「…俺はなんとなーく三蔵の気持ち分かるけどな」
「えっ、意外…」
「どーゆー意味?」
「ほら、悟浄と玄奘って何か同調するタイプじゃないじゃない?」
「まぁ、そーなんだけどさ。
女の好みは結構似てんのよ?」
クスクスと笑いながら悟浄は煙草を咥え火をつける。
「真明の事だって最初ドストライクだったんだから」
「まあ。私だって悟浄の事好きよ?」
「そーゆう事言うから心配なんだって」
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