□ENDLESS DAYS
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最初は『誰がこんな奴』って思ってた

でも、私の大切な主が

「玄奘は私の大切な人なの」

って余りにも言うもんだから


私は、彼を『品定め』しなくちゃいけなくなったーーーーー






真明様と玄奘三蔵。
2人は幼馴染であり、同じ三蔵法師の位を持つ者であり
今や、恋人同士でもある。
「真生…」
「江流、朝からダメ…だって…ば…っ」
ベッドの中で真明様の白い背中に口付けを落としてその身体を捉える。
「…主」
「どうしたクソガキ」
「だから…鶺鴒とお呼び下さいとあれ程何度も…
って、朝から真明様に何してるんですか」
「あ、鶺鴒…おはよ…う」
「真明様おはようございます。
ご寵愛が深いのは結構ですが…そろそろお2人共起きてください」
「う…ん」
スルッと腕の中から真明様は身体を起こそうとする。
「…てめぇ、ワザとか」
「なんの事でしょう?主も早く起きて下さいな」
わざとらしい位ニッコリと微笑む。
真明様が湯を使いに出た事で朝の営みを阻止され、低血圧も手伝った玄奘三蔵は不機嫌そうに煙草に火をつけた。
「…主、一つ聞いてもよろしいですか?」
「…何だ」
「旅が終わったら…どうされるおつもりです?」
コーヒーを淹れながら問いかけてみる。
そんな私を紫の双眸は黙ったまま射抜いている事は背中越しでも伝わった。
「回りくどい言い方をするな」
「…」
「お前が聞きたいのは俺がどうこうではなく、真生とどうするのかだろう」
「…ええ」
真明様…私の大切な主。
この旅にはいつか終わりが来てーーーーー
(もしかしたら…)
私達の関係にもーーーーー
「私…飛雷の一族の閉鎖的な暮らしが嫌で一族の里を出ました」
「…」
「まだ幼い子供ではありましたが…そこで終わりたくなかった」
コーヒーの湯気を見つめながら自然と言葉が零れていく。
「長安に辿り着いて、慣れぬ旅に心身共に疲れ果てた折に真明様に拾って頂いたのです」
それからずっと

『…可哀想に…こんなに泥だらけになって…もう大丈夫よ』
『…貴女様は…』
『私?私は真明』
『そのお格好…三蔵法師様でいらっしゃいますか…』
小さな小鳥の姿の鶺鴒を小さな桶に湯を張り浸からせると、その中で白くしなやかな手が優しく湯をかける。
『三蔵法師様のような尊いお方が…私のような者にこのような…』
『始まりの場所から…旅立ったのでしょう』
『?!』
『私もあなたと同じ』
『ですが…何故…』
『声が』
『…』
『呼ぶ声が、聴こえたからよーーーー』
ニッコリと微笑むその姿に

私の光はこの方だと
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