□HAPPY HAPPY BIRTHDAY
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晩秋の頃。
「あ、江流の誕生日!」
三蔵が三仏神の報告で宿を空け、残された5人が食堂に集まる中、真明が声を上げた。
「そういや、明後日だな!」
「お祝いしてあげなきゃ」
「旅に紛れておなざりになりがちですもんね」
悟空と鶺鴒も真明に賛同する。
「いいなあー三蔵、彼女と誕生日かー…」
「悟浄もいい人見つかるといいですねえ」
椅子の上で天井を仰ぎながら煙草を吸う悟浄と
昼食の片付けを行う八戒も話題に加わる。
「何が良いかなあ…」
「ケーキ!」
「悟空が食べたいだけでしょ?それ」
頭をひねる真明にはしゃぐ悟空とそれにツッコむ鶺鴒。
「そうですねえ、大げさな事は三蔵は嫌がりそうですし」
「俺が思うに真明がいれば三蔵は喜ぶと思うけどな」
八戒と悟浄も宙を見て考える。
5人がうーん…と唸り
「皆でご飯は食べたいかな」
「ケーキ!」
「だから…もういいわアンタは」
「じゃあ、ここで作りましょうか」
「あ、真明が女体盛りってどうよ」
「悟浄、三蔵に射殺されますよそれ」
「にょ…?何??」
「それ、ウマいの??」
「真明様も悟空もそのままでいいです」
「そう?玄奘が喜んでくれるならやるけど?」
「まあ…喜ぶっちゃあ、喜ぶな」
「確かに喜ぶでしょうけど別の意味で。
悟浄がしたいだけですよそれ」
キッチンを借りる手筈や、あれを作る…
皆が集まり分担を決め
じゃあ、と皆で顔を見合わせる。
「当日皆よろしくね」
「おう!買い出しは任しとけ!」
「余計な物買わないように監視しておきますわ」
「結構な荷物だなー」
「キッチンの用意はしておきますね」
「玄奘が帰って来るまでに決められてよかったわ」
「あ、真明、ちょっと」
ちょいちょいと悟浄が手招きする。
素直に真明はそれに近づき
「三蔵にこんなんどう?」
コソッと耳打ち。
みるみる真明の頬が紅くなる。
「それ…本当に玄奘喜ぶ?」
「そりゃあ、寝かしてもらえないと思うけど♡」
「この前のも結構勇気必要だったのよ?」
「アレできたら出来る出来る」
「…やって、みようかな…」
上目遣いに悟浄を見つめ
「悟浄、どうやってやるのか教えて?」
「…もう、手取り足取り俺が食いたいんだけどそれ」
「悟浄、真明に何吹き込んでるんですか」
「あ、八戒」
「いや、三蔵にさ…」
経緯を八戒にも伝える。
「…ってワケ」
「…」
「八戒?」
「それでいきましょう」
「「えっ?!」」
「どうしたんですか?」
「いや、八戒が…」
「まさか…ノッてくるとは思わなかった」
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