□regret
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ーーーーーー天界ーーーーーーー

蓮の花が幾つも浮かぶ水面を見つめる人物がいる。
水面にはジープに乗り旅を続ける者達。
その中に乗り込む女三蔵法師をみつめ、ふっと微笑んだ。
「やっと、拾ったか」
「観世音菩薩様、あの者は…」
「ああ真如だ」
「何と…!あの金蝉童子の花娘(ホアニャン)ですか?!」
「まあ、正確にはオンナになる前にアノ事件が起こったからな…全ては"未遂"のままさ」
解れた糸が手繰り寄せられるようにーーーー再び巡り合う。
「せいぜい、次は『失敗』しないようにな…」

金蝉童子ーーーーーー













カチャカチャと食器の音が響く。
「あ、悟浄!オレの春巻き取るなよ!」
「だーかーらー、いつからオマエのモノになったんだっツーの!」
「オレの皿の上に置いてた!
絶・対!!置・い・て・た!!」
「んなわきゃねーだろ。
猿は目までおかしくなったのかよ」
「猿ってゆーなぁ!!」


スパパーン!!


「テメェら!黙って食え!!」
「イキナリハリセンクラッシュかよ!!」
「痛えー…だって三蔵!」
「だってもクソもねぇ!」
「…」
「鶺鴒さん?しっかりとらないと無くなってしまいますよ?」
「猪八戒殿…コレがデフォってヤツですか…?」
「はい、デフォってヤツですね」
「毎回思うけど…ココは戦場ですか…
真明様、ちゃんと召し上がれてます?」
「大丈夫。フフ…楽しいわね、鶺鴒」
「楽しいですかね…?」
「真明!ちゃんと食ってる?」
「悟空、食べてるよ」
「そんなんじゃすぐ腹減るよ?
オレのシュウマイあげよっか!」
「猿、テメー俺には春巻き1つでギャンギャン言っておきながら…!」
「悟浄はオレの春巻きを取ったんじゃん!
真明にはあげるの!!」
「んだとぉ?
真明チャン、オトナの付き合いって事で酒でも飲まね?」
「シュウマイの方がいいよな!」
「クソ猿も沙悟浄殿も主に変なモノ勧めないで。
真明様、足りなければこの鶺鴒が腕をふるいましょうか?」
「あ、じゃあ僕はお茶を入れてきますね」
「酒!」
「シュウマイ!!」
真明の前で繰り広げられる妙な熱戦に…

ガウンッ!!

「静かにしろって言ってるのが…
分からねぇのかテメェらぁぁぁ!!!」

「うわっ、乱射反対!!」
次々に弾丸を撃ち込む三蔵に逃げ惑う悟空と悟浄。
真明は八戒の入れたお茶を飲みながら…苦笑い。
毎度の食事の光景なので流石に慣れてきた。
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