□Way
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これよりは真なる西域ーーーーー

準備はいいか 野郎ども



「私の住んでた寺も西のほうだとは思ってたけど…ココからは本当に色々変わってきそうね」
「真明、身体はまだ本調子ではないでしょうから、しんどい時はすぐに言ってくださいね?」
「うん、有り難う八戒」
「真明!しんどい時はオレの肩使って!」
「ウフフ悟空いいの?」
「うん!」
『コラ!クソ猿!ドサクサに紛れて真明様に触るな!』
「そんなんじゃねーじゃん!唐揚げにして食っちゃうぞ!」
「うーん…鸚哥の唐揚げは美味しくなさそうですね」
「八戒、真顔で悩むなよ」
賑やかに旅を進める一行の中で三蔵だけが助手席で頬杖をついて外を眺めている。
牛魔王蘇生実験
聖天経文の行方
そしてーーーー真明の力
「玄奘」
「真明…お前はどう思う?」
「異変の影響は格段に濃くなったと思うわ…
ハッキリと西域と感じさせる境界線みたいなものを通過したと思う」
助手席真後ろから真明が三蔵に声をかけ怪訝そうに双眸を細めた。
「さっきから嫌な霧を感じるの」
「俺もだ」
「倒した妖怪の中にも私達の存在を知らない者もいたし、等しく暴走化の影響が出ている証拠」
「『何が』起こってもおかしくない…」
「そうね」
ふっと紫紺の視線が真明をとらえる。
「お前は特に烏に気をつけろ」
「…」
「…怖いか?」
「…少しね。
でも、次は絶対決着をつける」
「…」
「他でもないーーーーー
私が守るわ」
この力と
貴方を
「…無理はするな」
「玄奘…」
「お前にはコイツらも…俺もいる」
「…有り難う…江流」
真明の手がそっと三蔵の肩に触れる。
細い指。
その手を優しい手が覆った。
「何何?2人でなんの相談?」
「何でもねえよ」
「その割りには三蔵、真明と距離近いじゃん?」
「狭いからこんなモンだろ」
「最近皆何か質問攻めねえ」
のんびりと三蔵の後ろから手を回してその頭の上に顎を乗せる真明。
「2人は仲が良いですからねえ」
「ん、まあ幼馴染だもの。そうかもね」
((((本当にそれだけ?!))))
三蔵と真明を除いた4人は確実にシンクロする。
「今日はこの分だと野宿かしらねー…」
「かもな」
「ヤダ、私また木ノ実登って取らなきゃダメかしら」
「…狩るか」
((((何?!この2人!!))))
「三蔵がサバイバーなのは知ってるけど、真明もなの?」
「うーん…私は玄奘程ではないわよ?
2年くらい旅はしてたけど」
恐る恐る尋ねる悟空に真明はシレッと答える。
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