□ReWay
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欲と感情に押し任せてーーーーー
その奥まで要ってしまいたい

「ん…もう、これ以上はダメ」

弱々しく伸びる静止の手。

「…お前な…」
「…っね、お願い…江流」
未知なる感覚と見えぬその先への不安に真生の瞳は涙を湛え
白くほっそりとした腕が江流の首に回り唇が重なる。

この「お願い」を受け入れる夜は何度目だろう

初めからすると随分前進はしてる。



無意識に彼女は『何か』を怖れているーーー
(一体ーーーー『何』を)
「江流…」
でも一番落ち込むのも実は真生で
「…ったく」
そんな彼女が愛おしくて
白い頬を伝って頭をポンポンと撫でてやる。
「来い。せめて一緒に寝ろ」
「うん」
こうしていつも夜は明けていくーーーーー


「で、三蔵サマは性欲に殺されそうな顔してるわけだな」
「てめぇと一緒にするな」
「しかし…妙ですよね。そんなに受け入れられないとなると」
「そうなの…」
八戒の言葉に真明も頷く。
「よくある『初めての抵抗』とはワケが違うってか?」
煙草に火をつけ、悟浄も尋ねる。
「うん…何と言うか…『絶対なる不可侵』の感じに近いわ」
「では、真明自身が拒否している訳ではないんですね?」
「うん…だって…」
真明は少し俯き言葉を一生懸命探して居るようだったが
やがて顔を赤らめながら上目遣いに皆を見る。
「私だって…玄奘が欲しいもの…」
「「「!!」」」」
驚愕。
「お前…言葉選んで、それか…?」
「これは…天性の『男殺し』ですね…」
「やべぇ…今の半端無く腰にクるわ…」
「え…?えぇ?!」
悶絶する男3人に当の本人は瞳を不思議そうに瞬かせている。
「男3人で楽しまないで下さい」
鶺鴒はハァと溜息をつきその様子をたしなめ
「真明様、今のお話を聞いて鶺鴒は少し考えたのですが…」
「何?」
「紗烙三蔵法師様をお訪ねしてみては如何ですか?」
「姐さまを?」
「まだ三蔵法師っているの?」
2人の会話に悟空が加わる。
鶺鴒は頷き言葉を続ける。
「真明様は第6の経文の守護者だから表向きには伏せられてるけど…この桃源郷に表向き天地開元経文は5つ。
と、言う事はその経文を守護する三蔵法師は5人いるはずなのよ」
「1人は三蔵だよな」
「玄奘三蔵法師が魔天経文・聖天経文の守護者だし、1人は妖怪に食われたと聞いたから…今は3人ね…
烏哭三蔵法師と…」
「紗烙三蔵法師。女性の三蔵法師よ」
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