□WISH
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ーーー導きの光が弾ける

「透視光が弾けたわ…多分この辺りなのね」
キョロキョロと真明が辺りを見回す。
「周りに建物らしきものもありませんね…」
「そんなこんなで…」
「団体様ご到着か」
「もー!お前ら鶺鴒が寝てんのに来んなよな!!」
イラッとした悟空が如意棒を振り回す。
「…悟空じゃなくてもちょっとイラッとするわね確かに」
真明の鋼糸が円を描くように舞う。
「あーあ。これがみーんな美人のオネーサンなら良いのに…」
ぼやきながら悟浄が錫月杖を振り回し
「最近団体様が多いですねえ…ツアーでも流行ってるんでしょうか…」
首を傾げながら八戒は気功を放つ。
「妖怪に見境が無くなってきやがったな…
異変の影響が濃くなってきた…か」
カランと三蔵の銃弾が抜かれリロードされる。
いつの間にか背中あわせの距離まで妖怪の数は増えていた。
「三蔵ーキリがねえよーハラ減ったー!」
鶺鴒の籠を抱えたまま悟空が訴え出す。
「!…っ、悟浄!」
真明が素早く銃を構え悟浄の背後の妖怪を撃ち抜く。
「さーんきゅ真明♡」
「きゃっ」
「んーやっぱ女の子っていいわ♡」
真明の柔らかい腰に手を回し、髪にキスをして次は悟浄が真明の背後を守る。
「有難う悟浄」
「なあ、真明。三蔵なんかやめて俺にしな…」
「手を離せバ河童」
「三蔵、撃つ相手間違ってますよー」
「2人共今はそんな…、!」
真明の瞳が悟空の後ろを捉える。
「…悟空!」
銃を構えたその時

ガウンッ…!!

1つの銃声が響く。
妖怪は倒れ、悟空は不思議そうに真明を見つめる。
「今の、真明?」
「いえ…違うわ」
銃を下ろし、真明は妖怪に駆け寄り痕跡を見つめる。
「…デザートイーグル…」
立ち上がり視線を上部に向ける。
目の前に立ちはだかる妖怪の数はまだ増え続ける。
「…」
鳶色の瞳が細められ
「邪魔をしないで」
シュルリと肩の経文に手をかける
「…っ」
「三蔵の経文が…」
真明のサンスクリットの声に呼応するように三蔵の肩の経文が光を帯び
「玄奘、ちょっと『力』借りるわね」
「…ちゃんと手加減しろよ」
「うん!」
経文は真明の声に彼女の周りを包み込み

「その力に共じよ…

魔戒天浄!!」

強い光に包まれ
妖怪の群れはあっという間に姿を無くした。
「真明が…魔戒天浄した!」
「でも経文はちゃんと三蔵のトコに在るって…どーゆう事だ?」
「あくまで憐天経文が放ったという事ですか…?」
「あれが憐天経文の力の1つだ」
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