□World is Mine
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「そうなの?」
「俺達はあくまで真明が三蔵の女だって認識があるからな。
…でも他所様は別」
ビシッと指を突き付けられ、真明は思わず首を引っ込める。
「そんな可愛い顔にいいカラダして好きって言われて勘違いしない男は居ないぜ?」
「何だか難しいのねえ…」
「でも、今日は何であんなに食い下がったワケ?」
「…」
「いつもの真明ならアッサリ引き下がりそうな所だからさ」
「…悟浄ならいいかな」
バツが悪そうに彼女の茶色の瞳が見つめてくる。
「見てみたかったの…私の知らない皆の顔」
「…ふぅん?」
「私…皆に守られてばっかりで。何にも知らないんじゃないかなと思って」
「…逆だとしても?」
「え?」
「いいぜ真明。そこまで言うなら悟浄サンがお供しましょ」
ウィンクをして悟浄が椅子から立ち上がる。
「着替えてこいよ」

薄い桃色のチャイナワンピースに着替え、真明は悟浄の前に姿を現す。
「私、コレでおかしくない?」
フワリとスカートを揺らしてクルリと回ってみせる。
「いや、もう、何か…動機息切れ気付けが起こるレベルですっげえ可愛いんですけど…」
「悟浄?大丈夫??」
しばらく壁に手をついて悶絶する悟浄を真明は不思議そうに見つめる。
「俺、三蔵に怒られるだろうなー…」
「バレたら私も謝るから、ね?」
ニッコリと微笑み手を取られては最早言う事を聞くしかない。
「行きますか」
「うん」
扉を開け、2人は街へ繰り出す。


ザワ…


「すごい人…お昼とは全然景色が違うわね」
「皆光と誘惑に誘われて出てくんの」
はぐれないようにとハイと出された悟浄の手を取り真明はキョロキョロと周りを見渡す。
「皆何処に行ったのかしら」
「んー…そうだな…こーゆう時は」
手近な所にいた男に声をかけ悟浄が何かを聞き出す。
「真明、こっち」
手を引かれある場所を目指す。

辿り着いたのは
「迎賓館…?」
「表向きはな…ま、『大人の交流場』ってやつ?」
「娼館でもあるって事?」
「そーゆう事。クロいモンが集まりやすいからな」
「成程ね」
朱塗りの門をくぐり門兵によって重厚な扉が開かれていくーーーーーー
「わぁ…」
目の前にきらびやかな世界が広がる。
言葉を交わし談笑する者。
芸を披露する者。
楽団の音楽に合わせて踊る者。
優雅な時を思わせる。
一方
「…幕内ね」
「…のようで」
上段両側に幕が垂らされ、その向こうは妖艶な世界が現れる。
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