□初恋
2ページ/2ページ

「俺だったらこんな可愛い幼馴染がいたら腕の中から離さないけどな」
「まあ、お上手。悟浄の彼女になる人は幸せね」
「真明も幸せだって言いなさーい?」
そうでないと
このキモチのやり場がなくなってしまうから
「そうね…幸せよ。
玄奘がいて、皆がいて…悟浄がいて」
「真明…」
「大切だわ」
「全く…」
自分の心が邪に見えてしまうくらい最高の微笑みで
「ホンッとクセになる」
「うふふ、悟浄に大切な人が出来るまでは私が甘えようかなと思って」
「大切な人…ね」
彼女以上に、そう思える人が出来たなら
いつかーーーーーこんな自分も救われる日が来るのだろうか
(でも…)
それでも君はーーーーーー
「現れるかねー…真明以上のイイ女」
「悟浄は優しいから女の子に勘違いされないようにね?」
「言ってくれるねえ…」
「じゃあ神様にお願いしてみる?」
「三蔵法師様が神頼みって…」
「あら、頼めるものなら神も仏もないわよ?」
「…三蔵法師って皆、そう?」
「アハハ、だって三蔵法師の前にただの乙女ってね?」
その手を引いて走り出す。
「どんな人がいいか考えといてね」
「そーねー…じゃあ」

神様がホントにいるのなら

もう一度 君とこんな穏やかな時を

そして

君以上の太陽を

それまでは

(もう少し…)

君の虜でいさせて










初恋・了
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ