□HelloBaby
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八戒が真明の荷物を持って行こうとまとめる。
かたっ…
「ん?何か…」
落ちた物を拾い
八戒の動きが止まる。
「?どうした、八戒」
その様子に悟浄が歩み寄り
「…」
共に動きが停止する。
「2人共どーしたの?」
「あ、悟空…いや、あの…コレは…」
「男としては…シャレになんねーな」
取り繕う2人に鶺鴒が不思議そうに歩み寄り
「…!」
更に驚きの余り声を失う。
「主…これ」
「検査薬だな」
「検査薬って…何の?」
「妊娠のよ。真明様…気づいてらっしゃる…?」
「しかも1つ使われている」
「決定的な証拠が欲しいってところ?」
皆で1つの箱を覗き込み
憶測が憶測を呼ぶ状態。
「真明は結果を知ってるって事ですね」
「何で三蔵に言わないんだろ」
「まだ確信が無いのかも知れませんね…」
「じゃあ、僕が荷物持っていくついでに探ってみます」
「八戒なら何か分かるかもな」
「ちょっと行って来ますね」

鶺鴒よりも少し長い間

少し茫然と八戒が階段を降りてくる。
「は、八戒?」
「いや、あの…」
悟空の呼びかけにいつもの八戒らしからぬ動揺を見せ
「真明に…『檸檬食べたい』って言われちゃいました…」
「檸檬…それ、確定フラグじゃね…?」
「檸檬…妊娠初期の定番の偏食ですね…」
「取り敢えず檸檬を買いに行こうかと思うんですが」
キュー
「ん?白竜何持ってんの?」
「キュ」
悟空の上を白竜がハタハタと飛び回り、口に咥えた冊子をファサッと落とす。
悟空以下皆で覗き込み
「…コレって…」
「基礎体温ですね…」
「最近になって高温期が続いてるみたいです…妊娠の兆候の目安と言われてますし」
「真明、結構本気で子供欲しかったとか?」
「アイツの性格上、だったらそう言うだろう」
「オレも三蔵と同じ事思った。真明、何かあるのかな…」
「真明様…もしかして妊娠が分かったら旅が出来ないと思っていらっしゃるんでは無いでしょうか…」
「あ、それは有り得るな」
鶺鴒の発案に悟浄も同意する。
「確かに…身重では連れて行け無いですしね
その場合三蔵はどうします?」
「まあ…三仏神経由で慶雲院に戻す事になるだろうな」
「真明、それが嫌なのかな…」
「それってさ、三仏神にも報告しなきゃなんねーっつ事だろ?
三蔵サマ怒られね?」
「過去に三蔵法師同士の婚姻なんて例は無いからな。
だとしても、本当にそうなら四の五の言ってらんねえよ」
「まあ、主は旅が終わればどっちにしろ真明様とご結婚されるご予定ですから…遅かれ早かれってやつですね」
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