□HAPPY HAPPY BIRTHDAY
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「たまには三蔵の狼狽える顔も見たいじゃないですか」
「八戒…楽しんでるよね?」
「…だな」
「そうと決まれば真明、準備を揃えましょう」
「あっ、はい」
「悟浄も手伝ってください。言い出しっぺなんですから」
「喜んでー♡」

各々にその日に向かって準備を進め

「三蔵!誕生日おめでとー!」
「何だ急に」
「主のお誕生日ですからお祝いを」
「プレゼント用意しましたよー」
「…何か、嫌な予感がするぞ」
「お気に召すと思うぜ?サンゾーサマ」
八戒から小さな箱を手渡され
「さ、開けてみて下さい」
とニッコリ微笑みを向けられる。
「…」
怪訝そうに紫の瞳を細めて三蔵の手は箱を開けるーーーーー
ボンッ
「っ?!」
7色の煙が箱から一杯に溢れ部屋中を包む。
暫く皆が視界を奪われていたが
煙が次第に薄れてくる。
フッと膝に柔らかい重さが伝わってーーーー
「玄奘」
膝の上に現れたのは
露わな肌にピンクのリボンを巻き付け
頭にも大きなリボンを結んだ
正に「プレゼント」真明。
頬を桃色に染めて上目遣いに三蔵を見つめる。
「玄奘…お誕生日おめでとう」
「っーーーー!!!!」
三蔵は言葉にならず
バッと真明を隠すようにかき抱く。
「あらら?」
「お前、河童喜ばせてどうする!!」
「あ、バレた」
チッと悟浄が舌打ちする。
「えー真明めっちゃ可愛いのにー」
「悟空…何か今のアンタ、救われるわ」
真明の姿が見れなくて純粋に残念がる悟空と呆れる鶺鴒。
「僕はしてやったりです」
満足そうに笑みを浮かべる八戒。
「玄奘が喜んでくれるかなーと思ったんだけど、ダメ?」
「変な事に神通力使ってんじゃねえよ。
ダメではないが今はダメだろ!絶っっ対!!」
「あ、ダメではないんだ」
「江流になっちゃってる」
「コレがデフォですか」
いつものペースを完全に崩された三蔵を真明以外の一同は興味津々に眺める。
「…てめぇら」
ギラッと三蔵の瞳が光り

スパーン!!

「一列にそこに直りやがれ!!」
「ウソ!?ハリセンクラッシュ?!」
「弾丸回避の用意してたのに予想外!!」
「プレゼントには礼をくれてやる!!」
「変な律儀見せんな!」
「アハハ、気に入ってくれたみたいで良かったですねえ真明」
「素直じゃないんだから」
クスクスと腕に抱かれながら笑う真明に
「…ったく…着てろ」
「ふわっ!」
ため息をつきながら自らの法衣を解き、幼馴染の頭から降らす。
(あ、江流の匂い…)
体温をまだ感じる。
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