鈴カステラ
□六月だからね【前半】
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「…………うにゅー………?」
『うにゅー』こと苺大福は雛苺の言葉も虚しく、
『緑色のぽつぽつ』に汚染されていた…
うにゅー計15個全滅。
「うわあああぁぁぁぁん!!!」
猛ダッシュで(涙目)ジュンの部屋に駆け付ける雛苺。
あいにく、中にジュンはいない。
代わりに二体の、いや三体のドールがいるだけ…
一番はじめに雛苺の話を聞いたのは、緑色の大きなリボン、真っ赤な衣装に身を包んだドール、真紅だった。
「ひ、ひなね、何も悪いことしてないのに…」
「はいはい、今回は何があったのかしら?」
(半泣きで)話を続ける雛苺。それを(親分的な感じで←)よしよしと聞いてやる真紅。また、それを横目で見ているもう一体の(今度は緑のドレスに身を包んだ、一見純粋そうな)ドール、翠星石がいる。(ちなみに彼女はさっきまで真紅と遊んでいた。)
「で、何事?」 「……うにゅー、うにゅーに…ぐすっ変なぽつぽつが………………」
そこで、すかさず茶々を入れる翠星石。
「また、おまえはうにゅ〜、うにゅ〜って。苺大福ごときで五月蝿いですぅ!いい加減うにゅーから独り立ち出来るようにしたらどうですか?!
それに、真紅もいくらオセロで負けそうだから、って途中で話をそらすなです!!!」
「ぇ…だって、うにゅーが………」
「まったく、とんだ茶番ね。苺大福なんてまたジュンに買わせればいいのに。おかげで翠星石に誤解させられちゃったじゃない。 ………ふぅ、さぁ、翠星石、さっきと同様、アメリカンフットボールでけりをつけようじゃない!」
「おっしゃー!レッツプレイ、アメフト!
って、オイィィィィ!!!
何ちゃっかりゲーム変更してんですか?!
いや、もう
バレバレですから!!」
そのやり取りをジィーーッと凝視する雛苺。
「………うにゅー」