置き詩
04/02(Fri) 15:42
薄暮に埋まる深海
宇佐 世白
晶き薄暮の後ろ側から
ひとに見紛う
影の皃が視える
詳らかに見据える程の
勇気がこの胸には無いのと
その皃は同義で
泣かせる為と
わたしは皮肉めいて
羽搏けない鳥のようで
色褪せていく虹のようで
綺麗なものはただ
怖くて堪らないから
だから見詰める事も
わたしには出来無い
何かを殺すかのようで
何かを捧げるかのようで
それがわたしには
弱さの様で堪らないから
だから脆弱さを売り物にし
生きているんだろう
哀しみは底を知らない
深海の中で呼吸を止めた
ある独りの人間が
わたしだった
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