置き詩
06/03(Thu) 20:56
『僕は”あなた”に』
宇佐 世白
春風に理想を投げた
昔の僕に言う
あなたの言葉が
未だに胸に甚く響く
ただの花にも為れなかった
ただの憂鬱にも
ただの”ひと”にも
僕は為れなかった
そんな怖ろしい優しさで
この両の眼を見ないで
そんな温かい手で
僕に触れないで
そんな
素振りだけで
このこころは
脆いから
すぐに壊れてしまう
すぐに嫌われてしまう
ただの
”ひと”にも為れないのだから
あなたの
たった独りのひとにも
きっと為れないだろう
だから
僕はずっと”あなた”に
為りたかった
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