置き詩

▼書込み 

06/03(Thu) 20:56
『僕は”あなた”に』
宇佐 世白


春風に理想を投げた
昔の僕に言う
あなたの言葉が
未だに胸に甚く響く

ただの花にも為れなかった
ただの憂鬱にも
ただの”ひと”にも
僕は為れなかった

そんな怖ろしい優しさで
この両の眼を見ないで
そんな温かい手で
僕に触れないで

そんな
素振りだけで

このこころは
脆いから

すぐに壊れてしまう
すぐに嫌われてしまう

ただの
”ひと”にも為れないのだから
あなたの
たった独りのひとにも
きっと為れないだろう

だから
僕はずっと”あなた”に
為りたかった

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