Short2

□トワイライトジェミニV
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雪が身体に積もってたって、ずっと待ってた。身体がガタガタ震え出したってひたすら待ち続けたよ。私に気付くその日まで・・・



Twilight Gemini





「おーい…いるかー?」

『大頭っ!飲み過ぎじゃないですか?』

よたよたの足取りに、思わず駆け寄りたくなるけれど、どうしても新入りの私なんかが支えるのは、どうも気が引けて、駆け出そうとした足を元の位置に戻した。


柵にもたれたのを確認してから、少し大きい声を出した。


『大頭!』

「シャンクス!」

『・・・・・・・。』

「俺の名前はシャンクスです」

『…知っています。』

「ひっく、…シャンクスて呼べよ。他には誰もいないから」

『…シャン、クス』

「おう」

『シャンクス、』

「なーんだよー」

『今日はカストルとポルックスについてお話しましょう』

「ん。頼む」


心がぽっとして自家発電してるみたいに身体が暖かくなった。
吐き出す 白 に 切なさを覚えたけれど なんだか それさえ愛しく思えた。



『・・・、というわけで、古代の船乗りは船首にカストルとポルックスの像を取り付けて崇めたとか…。つまり、シャンクスがあの星に目がいったのも、やっぱり、船乗りの血なんですね!』

「護り神、つーことか?」

『はい、あの星。ふたつでひとつ。双子座です。』

「よく、知ってんなァ」

『なんとなく好きで…へへ』

「さぁて、そろそろ戻るか?酒が切れて冷えてきた」

『ふふ。…ですね』

「また明日な。お前、体冷やすなよ?帽子かぶってたって…まぁいいや。じゃーな」

『!』

うわー…影か!やだ!こんな特徴的なの他にかぶってる人いないよー!


でも…なんか冷たい頬も、こうして彼と過ごせるのならと思うとまったく嫌と思わないなんて、寒がりの私が…なんか変なの!

緩んだ口元を隠すように、手袋で頬を包んで。


明日もあさっても、こうして話せたらいいな。きっと楽しく過ごせるな。寝る前にラムを一杯飲んでいこう。…うん、明日もがんばろ。



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