Short
□壊れてく
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「なんでだよ、お前を守るのはいつだって俺だったのに! お前の為なら命だってくれてやるって、そう言ったろ?なんでだよ、なに俺の事庇ってんだよ……ッ、聞いてんのかよ!」
『うん、聞いてるよ、そうだったね。ゾロがあたしを守ってくれてたねーいつだってそうだったね。』
「そうだよ、なにしてんだッ!てめぇは!」
『だって背中の傷は……』
「剣士の恥だ!でもッ!お前を護る為にできた傷なら、背中にあろうとどこにあろうと俺は誇りに思えると、そう思ってた!」
『ありがとう、ゾロ。泣かないで。』
「泣いてねェよ。雨が降ってるのもわからねェのか…。」
『あはは…そうか。
ゾロ、大好きだったよ。』
青白い肌と真っ黒な髪は大粒の雨に晒されて、それでもお前を愛しいと、離したくねェと、そう思う俺は狂っているのか…。もう何も失うものかと、心に決めていたはずなのにお前を失った俺は―――――――――……‥‥・
お前の声が、頭に響いて離れない。お前の声が体を駆け巡って離れない。もう聞こえない。
な ん に も 聞 こ え な い 。