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□マスクの下は、
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『カカシ先輩、好きです。』
「ん!ありがとネ」
またこの子。いいかげんあきらめてくれないかな。だめなんだよ、そのまっすくでキラキラした瞳。
○だって、特上やってんデショ? なんでおまえはいつまでもそんな目でいられるのよ。
俺はそんなにキレイな人間じゃないんだーよ。
『―――ッ、先輩!』
○の事振り切って歩きだす。俺の身にもなってョ。 俺だってね、これでもお前のコト考えてんダヨ。
『っ、せんッぱい!』
泣きそうな声で....大きな目にそんなに涙溜めちゃって。
「参ったね、どうも…」
どうやら俺はこいつのことになると甘くなってしまうらしい。
歩く足を止めてはぁー、とため息を1つ。くるっと回れ右をすると、○はびっくりした顔を俺に向ける。
「○、お前いくつになるの? いつまでもそんなんじゃ一人前とは言えないぞ」
『へ…?』
まーただ。俺、その目で見つめられると弱いんだーよ。
「だ か ら、しょうがないから側にいてやるって言ってんの!」
マスクの下は、
「もうこの際だから、なんでも付き合ってやるよ。」
なんて言ってにやけた顔してたのは、俺とマスクの秘密かな。