□マスクの下は、
1ページ/1ページ

『カカシ先輩、好きです。』


「ん!ありがとネ」

またこの子。いいかげんあきらめてくれないかな。だめなんだよ、そのまっすくでキラキラした瞳。

○だって、特上やってんデショ? なんでおまえはいつまでもそんな目でいられるのよ。
俺はそんなにキレイな人間じゃないんだーよ。

『―――ッ、先輩!』

○の事振り切って歩きだす。俺の身にもなってョ。 俺だってね、これでもお前のコト考えてんダヨ。



『っ、せんッぱい!』

泣きそうな声で....大きな目にそんなに涙溜めちゃって。


「参ったね、どうも…」
どうやら俺はこいつのことになると甘くなってしまうらしい。


歩く足を止めてはぁー、とため息を1つ。くるっと回れ右をすると、○はびっくりした顔を俺に向ける。


「○、お前いくつになるの? いつまでもそんなんじゃ一人前とは言えないぞ」


『へ…?』

まーただ。俺、その目で見つめられると弱いんだーよ。

「だ か ら、しょうがないから側にいてやるって言ってんの!」




マスクの下は、



「もうこの際だから、なんでも付き合ってやるよ。」

なんて言ってにやけた顔してたのは、俺とマスクの秘密かな。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ