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□ダーリン、別れの準備はできた?
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『おはようございます』
午前中の涼しいうちに万事屋にいって、久しぶりにお昼でも作ってあげようと足を運べば外には打ち水をしているお登勢さんがいた。
あぁ、おはようと返してくれると、「まーだあんな男と付き合ってんのかい?早いとこ違う男に乗り換えな」なんて言われた。思わずあはは、と笑うと、
「笑い事じゃないよ」
なんて言って店の中へ消えちゃったけど、振り返る時にちょっと安心したような、なんて言ったらいいか…言葉に表せないような優しい顔で笑ってたから、絶対に本心じゃないんだろうなー、銀ちゃんのことなんだかんだ言いながら大好きなんだろなーと思いながら、万事屋へと続く階段を上っていった。それと同時にあたしの事も、銀ちゃんの彼女として認めてくれているような気がして思わずにやけてしまった。
そのままの顔で、引き戸をガラガラ、と開ければ、神楽ちゃんが出迎えてくれた。 お土産の酢こんぶを渡せば「キャッホーイ」と喜んでくれたので、安上がりな子でよかったとちょっぴり思ってしまった(許してね、神楽ちゃん!)
銀ちゃんはー?と聞けば、
「まだ、布団から起きて来ないアルヨ」
と、酢こんぶをかじりながら教えてくれた。