□言った後で、後悔しました
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「あ、○。今日もかわいいねィ。…好きでさァ」




会うたんびにこんな歯の浮くような台詞をあたしに向かって言うこいつは、沖田総悟。あたしの所属する隊、つまりは1番隊の隊長であたしの上司にあたります。彼を見かけたら気付かないフリをしてでもスルーしています。だって。なんて返せばいいかわかんないんだもん。




だから今も後ろから凄いスピードで追いかけてくる隊長からにげるべくあたしも凄いスピードで屯所の廊下をひたすら歩いています。どうしよう…厠かな?厠に入っちゃえば諦めるかな?…いやでも、隊長の事だし中まで入ってきそう…それを考えたら厠は危険だわね!

なんなんだよ…ほんと。普段は昼寝ばっかりのくせに! 隊長には悪いけど昼寝してもらってた方がよっぽど仕事もはかどるってもんよ!それに…あたしには愛だとか恋なんてものはよくわからない…せっかくあの「泣く子も黙る真選組」に入隊できたってのに!あたしは、あたしは、憎き天人や不逞浪士を取り締まる!その為に入隊したんだから!


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