♪♪

□総悟D
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今日も、また○○の様子を見に行こうと、屯所を出た。この曲がり角を曲がればお前に会える。そうすれば、胸のトゲトゲもきれいに取れるんだ。



――――ッ。


なんで!どこに行ったんだ!?

あいつが行きそうな所をしらみ潰しに探した。でも、いなかったんだ。胸のトゲトゲはさっきよりも大きくなって俺の肺を刺すから、上手に息が出来ないんだ。


仕方ねェ…帰るか。





屯所の門をくぐって、部屋の障子を開けると、ちょこん、と正座をして座っている○○がいた。あの日みたく、逃げないのかい? ○○の前に座って、久しぶりにちゃんと顔を見てみる。顔色が、よくないねェ。

『隊長、お休みをいただきありがとうございました。今日から復帰いたします』

そういって頭を下げるお前に触りたくて、伸ばした手は、君には届かなかったよ。空気を掴んだ右手を元に戻して「待ってましたぜ」と、告げれば、お前はきらきらした顔で俺を見たもんだから。



胸のトゲトゲはきれいに跡形もなく、消えてしまったよ。途端にたくさんの酸素をすってむせた俺。また上手にお前と過ごせるだろうか?○○の事を傷つけないで、愛してやりたいんでさァ。
どうしたら、本気だとわかってもらえるだろうか?近くに感じるお前の存在を認めてしまえば、○○も俺を好きになれと、またわがままな自分が暴れだすんだ。






どうしたら、好き、と伝えられるのだろうか?







(少し朱くなった頬っぺたに触れたいと、強く抱きしめたいと願う自分を、俺は上手に押さえ込んだんだ)


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