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□見透かされたい
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「山崎ィィィ!! てめぇ、なにやってんだァ!」
「ぎゃー」
……またはじまった。なに?なんでわかんの?匂いとか?え、なんかあたしにはわかんない匂いとかあんの?
まぁ、山崎さんも懲りずに屯所内でミントンなんておっぱじめるから悪いんだ。
――――――。
「あぁ、○○、すまねェな…また、山崎のヤローが」
『はい、大丈夫ですよ、もう…馴れましたから!』
ス、と開いた障子から、山崎さんをぼこぼこにし終わった副長が入ってくる。
「……。」
『続き、いいですか?』
「あぁ、頼む。」
――――――……‥
監察のあたしは、主に山崎さんと組んで、あちこち回ったりしてるんだけど、休暇中に出掛けた先で指名手配犯に似た奴らを目撃した、と 一応つけてアジトを記した地図を渡した。
「ちッ、厄介なことになりやがった…」
煙草の煙りを吐きながら、舌打ちする副長に…
『すいません、厄介なの持ち込んでしまって…』
正座した足に乗せた手に力が入ってしまう…また副長の仕事を増やしてしまった…
この指名手配犯というのも、最近暴れた奴らだから次になにか仕出かすにしても、まだまだ先の事だろうと話していた奴だった…
なぜだろう?休暇だと言っても、怪しい風体の輩がいると、どうも無視出来ないのだ…
だから一緒にいた友達も怒らせちゃったんだけど…
もう職業病かな?これ…
「いや、休暇中だったのによくやったな…」
さっきまでため息ついてたクセに…。副長は煙草をくわえたまま、ニッ、と笑って、あたしの頭をぽんぽんと、2、3度叩くと、また部屋から出ていった…
『……』
そして…
「総悟ォ!おま、見回りどしたんだァ!?」
はぁ〜‥
今度は隊長か…
ちょ、ほんとなんでさぼってるとかわかんだろ…?ほんとなんで?
そしてなんであたしがこんなに仕事がんばってるかとかはわかんないんだろう? そりゃ、とってもやりがいのある仕事だけども…、それだけじゃないのに!あたしだって…
見透かされたい
副長に褒められたくて仕事してんだよ、だからね、そんな笑顔だけじゃほだされないんだからね!
…あー、マジ○○とずっと2人でいると、仕事に手がつかねェ…