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□モヒカンばか
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『…………。』


「・・・・・・。」


『……退?』


「うん、なに?」


『なにって…その頭、どうしたの?』





目を伏せてずっと私と目を合わせないようにしてたのに、急に瞳に涙を溜めたかと思うと、うわーんなんて声をあげて泣き出した。私にしがみついて泣く様は、アレだ、トトロでメイちゃんがサツキお姉ちゃんに叱られて、「メイのばか!!」「ごーめんなさァい」ってシーン まさにあんな感じ。


退の頭を撫でると前までは感じなかった触感…


『…じょりじょりだね』


相変わらず私の腹で泣く退は、どうせ俺なんて落ちぶれた娼婦なんだー と、訳のわかんないことを言い出した。

そして

こんな頭でどうやって監察の仕事ができるんだ

とか

こんな頭じゃなにやったって目立っちまう

とか

こんな頭じゃ…○○だって嫌いになるんでしょう



とか、くぐもった声で言った。



ぐいっと、ちょっと強引に頭を上げさせて退の顔を見ると、うっすらとアイラインを引いた目だとか唇のしわに残った口紅が見えた。

朝、異様な格好で出て行ったし、なんかあったんだね・・・


また私から目を逸らすから頬っぺたを挟んだ手はそのままに私からキスしてやった。



「――ッ、○○?」



『髪型が変わったくらいで私が退を嫌いになるわけないじゃん!退のばか!モヒカンバカ!』


また潤みだした垂れ目の男をぎゅうっと力いっぱい抱きしめた。






ルージュの伝言

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