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□もいちどキスして
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『…今年も雲りか』


何の気無しに呟いた独り言に返事が返ってきた。



「今年も独りかァ」








そんなこと言ってません!といいながら振り返るとにやけた顔した隊長がいた。


「アレなんでィ、男出来たんですかィ?」


知ってるくせにそーゆう事を言うんだ、この人は。

『今年も曇りか!って、そう言ったんです。男がどーの、なんて話ししてません!』



そんなムキになるこたねェだろ?なんてからから笑うから、何にも言えなくて下唇を噛んだ。



薄い雲のベールが夜空を覆うから、ちらほら星は見えても天の川なんてやっぱり見えなかった。



いつだったろう?天の川をふたりで見れたらその時は彼に好きだと伝えようと決めたのは・・・



私の決意が甘いのか、そう決めた夏からもう3回目の七夕も、そうはさせてくれないらしい。

でも…アレ?私なんで七夕に告白しようって思ったんだっけ?あれ、あー?え?






『あ!隊長の誕生日!?』



振り返る隊長を見ると、口の端をきゅっとあげて…

「…思い出すのに何年かかってんでさァ」


と、言って私の頭に手を置いた。




「おかげで今年も独りだったよ」



隊長? ちょっと遠慮気味に呼び掛けると上からキスが降ってきた。



長い長いそれのあと、やっと酸素を取り込む私に なんか言うことねェんですかィ? なんて言うから、


『お誕生日おめでとうございました』

と言ってみた。




なんでィ、俺のキスには何にも感じねェのかよ


歩き出した隊長に、言ってみようか? 好きだって、


そうして振り向いてくれたなら…




もいちどキスして





と。そしたら今度は鼻で息をしよう






総悟ハッピーバースデー(^o^)
遅くなっちゃってごめんなさい(:_;) 愛だけはたっぷりです(^o^)/

2009.0708 向日葵

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