short4

□甘い、あまい、苦い
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放課後、生徒がいないはずの教室で珍しく、神楽と志村(姉)と○○が3人でしゃべっているのが廊下を歩いているだけでわかった。


「そういえば姐御は誰かにチョコあげるアルか?」

あいつもちゃんと女子なんだと、聞こえてきた声に安堵する。年頃の娘が食い物の事ばっかで大丈夫なのかと。こう見えて俺だって担任の先生ですからね、ちょっとは心配するわけですよ。


「うん、新ちゃんにはあげるつもりよ?かわいそうでしょ?○○はどうなの?」


「○○は銀八に決まってるネ」

マジでか、やっぱりわかる奴にはわかっちゃうんだよネ〜。隠してても○○が先生にべた惚れみたいな?まァ、わかっちゃいるけど俺だってひとりの男なわけで、惚れてしまったらしょうがないと、まぁいわゆる、高校教師みたいな、まぁあんな暗い話ではないけどなんだ、魔女の条件逆バージョンみたいな?あ?あーゆうんでもないわ…まぁ簡単な話、俺たち付き合ってま・・


『え!?なんでよ?』

  ――!?

「そうよ神楽ちゃん、義理にしたって有り得ないわ」

  ――!!!?

「そうアルか?」

『う、うん。先生とか有り得なくない?』

「そうよねー第一生徒のこと恋愛の対象として見てる教師なんて気持ち悪いわよ」

『だよねー・・・』



・・なんつー事を聞いてしまったんだ。キモチワルイですか、そうですか。はいはい、ちょ、もうアレだわアレ。うん、泣いてもいいですか?


教室に用があったはずなのにそれも忘れた。とりあえずここから離れたい。○○たちの声が聞こえないとこまで行かなくては…!!


こーいう時この便所サンダルってーのは良くないね、歩くときにぺたぺたとうるさくて適わない。静かに教室の前を通り過ぎてしまおうとしたのに、ガラガラ勢いよく教室のドアが開いて、目を見開いた○○とその後ろには「あ、先生ェ酢こんぶちょーだい」なんていいやがる神楽。


「よ、よォ…お前らまだ残ってんの?早く帰りなさいよ、」


『せんせー…』


「なんだよ、先生忙しいんだから。」





普通に出来たろうか?

そんなん、みんなに内緒で付き合ってんだから言えるわけないっつーの。

ちょっと考えたらわかることだろうが。


○○の事になると俺余裕なくなる、最初はこんなんじゃなかったのになァ



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