Short2

□銀八さいどすとーりー
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結野先生とあさっての会議の資料作りをしている。だるいことこの上ないし、会議にも参加する気はさらさらない。……が、ぱっちんぱっちんと真面目に資料作りに取り組んでいるのにはわけがある。

「あ、結野せんせ、そーいやこないだはすんません。やっぱり騒いでたの志村だったんすよー」

「ん?…あぁ!いきなり帰っちゃうから何事かと思ったんですよ。でも一緒にいた子がかわいいからとかで教頭先生も服部先生も許すって…」

「あーー…マジっすか。」


………なんっつーかきりだしにくい。
あー…

「先生が、前に担任持った子ですよね?先生が卒業式のときにすっごかったのってあの子のせいだったんでしょう?」

クスクス笑いながら、そんな事を言う結野先生に そうでしたっけ とか言ってみるが、バレバレらしい。つかよく覚えてんな…んな昔のこと。

「先生の感情の起伏?が、激しかったのはあの年だけですよねって、職員室ではまだたまに話題になったりするんですよ」

な…なーるほどね。

「そうだったんすか。……久しぶりに会ったらね、なんつーか…ダメっすね。男って。うん、つくづく思いましたよ」

あ、笑ってやがる。幾つになっても俺はガキのまんまなんすかねなんて話しながら、またパチンと資料作りに集中する。

ブルブルと白衣ん中の携帯が鳴った。ディスプレイを見てみれば、今日学校に遊びに来るなんて抜かしやがった新八で、早く来てコレの手伝いでもさせようと思ったのに、メール画面を開いてみれば、
"ごめんなさい。急に行けなくなりました!ちなみに神楽ちゃんも!また日を改めます"

なんてもので。
俺は大袈裟にため息を吐いてみた。また携帯をポケットにしまって作業を開始した。

「おっきなため息!どうしたんですか?」

さも興味なさそうに聞く結野先生を一目見て、

「新八と神楽が来るって言ってたんすけど、日を改めるって」

せっかくこの後なんにも予定を入れずにたまにはどっかメシでも行くかと思っていただけに、さすがの俺もちょっとへこんだ。…まぁ、神楽にメシおごるの回避しただけよしとするか。

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