Short2
□brilliant
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『か、か、カストルとポルックス!!』
「ん?…ははっ。やっぱり隠れてたか。こっちに来りゃーいいのによー」
『………。』
「なんだ?来ねぇのか?そうかい。んで?何て言ったって?」
『カストルとポルックス…です、大頭。』
「ハッ、大頭なんて…」
いつも見ているだけの大頭と、会話をしているなんて信じられなかった。でも大頭は、大頭と呼ばれたのが嫌だったのか、そういうと俯いてしまったのだ。
どうしよう…!なんか私!どうしよう!?
『あ、あの…』
「ぶぇっっっくしょいッ!!!!」
???
「あ゛ー…寒いなァ!おい、誰かわかんないけども!俺ァ先に戻るぞ!」
そういってまた橙の中に帰っていってしまった。
ズルンッ、と 床に座り込んでしまって動けなくなった私は、帰りが遅いと心配してくれた先輩に運ばれるまで、くらくらする頭で考えていた。
今まで、ただ憧れていたあの人に私はたった今、恋してしまったんだと…。バカで、どうしようもない私だけど、これだけは解る。
心臓のポンプがどくどくと身体中に血を送るたんびに、甘くて痛いのがズクズクと胸に届いたから。
どうしよう…!
だってもう一生話なんてできない人なのに。
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