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□午後、気付いたこと
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・・・アホらし。チャイムが鳴る前に教室を出る俺を気にとめる奴なんて一人もいなくて(まぁ、いつものことだしな) そのままその足で屋上に向かう。
フェンスにもたれて一服。ガチャッ、と扉を開ける音がする。誰だよ、まだ授業中ですよー。開いた扉から顔を出したのは、なんと俺のクラスの○さんでした…。
「おいおい、何してんの?まだチャイム鳴ってないよ。」
『先生こそ…』
・・・それを言われちゃしょうがねェか。
「○はさ、何であそこの席から動かねェの?…別に、いいんだけどね?」
『・・・。』
おいおい、お前そんなにしゃべらない子だっけ? 先生知ってんぞ、神楽とお妙とこないだバカ騒ぎしてたの。
『……。それはアレです。先生をずっと見ててもバレないからです』
「いや、バレバレです」
『えッ!そうだったんですか!?』
「だって、先生も見てたもん、○のこと。」
『あっ、あれは土方くんの事を見てるんだと思いました…うわー、なんか恥ずかしい・・・』
そう言って、白い肌は急激に赤に変わって、小さな手は俺に顔を見せないようにしていた。
屋上は、風が強くて、それになびくお前の髪も、その小さな手も、今は潤んでいるその目も、鼻も、口も・・・はためくスカートも。お前を作っているひとつひとつがなんだかやけに愛しく思える。
「●●ちゃん、そ の さ、卒業してさ、そのあと…もしよかったら、先生と一緒に家庭を築いちゃったりしませんか?」
午後、気付いたこと。
(本当はもう、ずっと前から気付いてたんだよな。お前のことが好きだって)