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□関白宣言
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あとは紅を指すだけというところでむっくりと、奴は起きて来た。頭をボリボリ掻きながら。
「あれ?○○、ひとり?新八と神楽はァ?」
『ん!?2人で散歩でも行ったんじゃないの?わかんないけど』
ちょっと声ひっくり返っちゃった!やばいどうしよう!?なんて言ったらいいかなー!?
「あっれェ〜?○○ちゃんお化粧なんてしてるの?なになに銀さんの事誘惑するつもり?」
『ち、違うわよ!これからバイトの飲み会なのッ!!』
げっ、思わず本当の事言っちゃったよ!! ばかばか!もう○○のばか!
「フンッ!知ってるっつーの!」
『え?』
「銀さん○○の事で知らないことないもん。もし言い訳とかしたら絶対行かせないつもりだったんだけど素直に言ったからー今回だけは大目に見てやる」
銀ちゃん!
普段だったら絶対ムカつくこの上からの物言いも今だったら素直に喜べるよ!
『ありがとう!銀ちゃん、早めに帰ってくるからね!』
「んー。あと口紅ぬるだけ?」
うんッ、とすっごい笑顔で頷いてみる。
「んじゃ、それ俺にやらして。大丈夫、銀さん指先器用だから」
にやっと笑う銀ちゃんに、今は従っておこうと、紅と紅筆を渡す。すると小指で紅を掬って、これでいいの、とあたしに向き直ってきた。
「はい、んーってして」
んー。 なんか銀ちゃんの指がとんとんとあたしの唇をたたき、それがきもちよくて目をつむってしまう。
『できた?』
銀ちゃんの指が離れた時に聞いてみた。
「……。」
銀ちゃん?と声をかけながら目を開けると、ちょっと切なそうな顔をした銀ちゃんがいた。
「やっぱダメだわ。俺もちょっとは大人になって、飲み会くらい送り出してやろうと思ってたけど…やっぱ他の男がいるようなとこにこんなかわいい○○行かせたくねェわ。悪ィ…」
そう言った後、ギュッ、と抱きしめられた。
関白宣言
あぁ、なんか銀ちゃんにときめいちゃったよ。