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□ワンナイトオンリー
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俺を避けてたのはお前のくせに、そうやって俺のなかに入ってきたのはお前のくせに…
来たと思ったら、俺になんて見向きもしないでスタスタ行っちゃうんだもんな。正直、お前以外の女なんて興味ないし。でも、お前がいつまでも「かわいい後輩」だから、一線を越えられないんじゃない!
チラと、向こうの様子を見れば、ゲンマくんやライドウと飲み比べして、結局ダウンしてる…
なぁにやってんだか…
倒れたお前をおぶれば、周りの奴らに冷やかされた。そういう歳でもないでしょーよ…って、いつまで経ってもくっつかないから?
ホラ、みんな気付いてる。俺がお前を好きだって…
「お持ち帰りっすか?」
バカじゃない?こいつは特別なんだよ、そんなんじゃないよ。
おぶって、夜道を歩けば、気がついたみたい。少しだけ低いお前の声が背骨を通って響いて心地いい。…………それは、俺に都合よく解釈しても構わないの?いっつもそうやって俺の話をしてるの?
家に着いて、ベッドに降ろしてもさっきの言葉が気になってしょうがない。水を渡しながら聞いてみる、お前の胸の内を。
涙をぽろぽろながしながら、
『先輩が好きなんです』
と、言われて我慢できる男がいますか!? いや、いません!
なんでもっと早く言ってくれなかったの?とか俺も好きだョとかとにかくお前の肌と触れ合ってる事が嬉しくて、お前が寝た後もずっと髪を指に巻き付けて遊んだりした。起きたらなんて言おうとか、これからの事とか思ったら眠れなくて。
起きる感じがして、眠ったフリをした。お前は驚いて、すぐにうちを飛び出してった。最後に、俺の髪を撫でて…
ワンナイトオンリー
朝の挨拶もさせてくれないの?
昨日のことをなかった事にするの? 悪いけど、もう「良い先輩」ではいられないよ…