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□甘い、あまい、苦い
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準備室で椅子に深く座ってタバコを吸っているとコンコンと小さいノックが聞こえた。
どーぞーとだけ返事をしたらカチャっと静かにドアが開いた。
『…失礼します』
まぁ、○○だと思ったけどさ。
「先生忙しいんですけどー」
『先生、ごめんね』
え、ちょなになにそれなんのごめんなさいィィ!?
きこきこ鳴らしてた椅子ごと思わずフリーズ。と、同時に後ろからふわっと香る○○の匂い。
焦ったあせった。どれくらい焦ったかというとまじ焦った!!
「先生、ロリコンの趣味ないし」
『うん、』
「そういう目で見てるの、○○だけだし」
『うん、ありがとう』
俺よりいくつも下のお前の方がよっぽど大人なのな。
『さっき廊下で先生みた時、先生すごい悲しそうな顔してたの。ほんとにごめんね。私銀八と同級生になりたかった。早く、卒業したい…』
あーあーまったく可愛いこと言いやがってコノヤロー
「あんまり可愛いこと言うとねお前ここで食っちゃうよ?先生もね、そこらの男子と変わりませんから」
『心配して損したっ』
そういう事言うもんじゃありません、先生のハートはガラスで出来てますから。そんな憎まれ口ばっか叩く口はこうしてやろう
「あ、チョコの味」
甘い、あまい、苦い
堂々と付き合ってるっていいたいけどさ、こうしてすぐ傍で過ごせるのだって悪くないんだから、卒業したいなんて言うなよ。お前のいない4月がくるのがうらめしい。