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□できればずっと一緒にいたい
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『…!』
そりゃそうよ、言えないわよ。
とも言えずに、私は下を向くしかなくて、
「アレかな、銀さん調子のってもいいのかな?コレ。」
『え?』
私と生徒たちの視線が再び坂田先生へと注がれる。
「しあさっては銀さんの誕生日だし、もしかして祝ってくれんのかなーとか」
髪をわしゃっとかいて、でも普段通りの坂田先生で。 え、なにコレ。私の方が慌ててしまう。
『あ、そうなんです!ただお誕生日ですねって。すみません、なんか…』
咄嗟にごまかしたけど、ふっと見た坂田先生はいつもの「死んだ魚の目」ではなく、少し怒ったような目で思わず肩を揺らした。
生徒たちには、私と坂田先生の間の空気感は伝わってないらしく、教室はがやがやし始めた。
それでも先生の瞳から眼を反らせずにいると。
にたぁ〜とだらしなく笑う坂田先生は「○○さん、嘘はいけないな〜」と言った。たぶん、囁くようなボリュームだったのだろう、みんなはもう各々の話題で盛り上がって私たちには目もくれていなかった。なのに私にははっきり聞こえたんだ。見透かされていたから?
教室の隅と隅までの距離が、坂田先生によって徐々に縮まっていく。
心臓が大きく打って、耳まで心臓になったみたいで、それでもまだ坂田先生から目を反らせなくて…ずっとそのまま見つめていると
「ほんとにそれだけっすか?できれば、○○さんの口から聞きたいなァ」
『坂田、先生、』
「はい?」
『――っ、月曜日のご予定は!?』
できればずっと一緒にいたい
明日もあさっても月曜日も、ずっと空いてます
――――――
銀八さんの喋り方がわからない!すみません、誕生日から1ヶ月経ってしまいました…
銀ちゃんおめでとう(*^▽^)/
2011.11.9 向日葵